患者さんや医療従事者はもちろん、社員のQOL向上にも取り組んでいきたい

レントゲン ・CTなどの放射線診断は、現代の医療において欠かせない技術となっています。2006年の創立以来、アクロバイオではこうした医療用精密機器を欧米から輸入し、全国の医療施設に販売するといった事業を行ってきました。放射線の線量計なども販売していたことから、2011年に起きた東日本大震災直後で線量計へのニーズが高まった際も、これまで培ったネットワークとノウハウを活かして世界中から線量計を集めるなど、医療分野に限らないビジネスを展開してきました。
そんな同社の強みには「『売ったら終わり』ではなく、その後もしっかりとサポートを行ったり、そこで得た知見をメーカーにフィードバックするなど、仕入れ先や納品先との緊密なリレーションシップにあります」
そう語るのは、代表取締役の古畑優さん。同社が行ったフィードバックによって製品の改良が行われたこともあるのだとか。こうしたかたちで医療分野に貢献できることは、働く上でも大きなやりがいとなるに違いありません。

そんな同社のテーマフレーズとなっているのが「QOL CARE」。放射線医療を通してQOLの向上を目指しているそうです。
「ここで言うQOLは患者さんだけでなく、医療従事者、そしてアクロバイオで働く社員たちも含まれます」
そんなアクロバイオでは、どんな人材を求めているのでしょうか。
その問いに対して、古畑社長は「自分の考えをきちんと持ちつつ、社会全体をきちんと見る目を持っている人」と答えてくれました。
「コロナ禍で浮き彫りになったのが、日本の医療のキャパシティです。品質を確保しつつ効率的に業務を進めることは、医療分野の差し迫った課題。そうした現場のニーズをキャッチしつつ、最適な製品を提供できる。そんな人に来てもらいたいですね」
そのため同社では海外のメーカーとコミュニケーションできる、英語力のある人材を求めているとのこと。
「日本の医療現場も、今後は外国籍の方が増えてくるでしょうから、もちろん外国籍の方にも門戸を開いています。」

実際に現場で働く人にも話を伺いました。入社15年目、営業部エリアマネージャーの渡辺圭悟さんは、前職がホテルマンという異色の経歴。「ただ、他の営業スタッフもほとんどが異業種からの転職ですね」とのことでした。
現在は新入社員の指導も担当している渡辺さん。ビジネスの基礎的な知識は社長が、営業的なことは渡辺さんが、そして技術的なことは技術職のマネージャーが指導を行い、その後は先輩社員についてOJTというかたちで業務を学んでいくそうです。
また、業務を行う上で必須の資格は特にありませんが、放射線取扱主任者や放射線技師の資格を有していれば望ましいとのこと。
「医療の分野は日進月歩。専門知識も常にアップデートする必要があります。そこで新製品導入時や改良が行われた際には社内で勉強会を開催して知識を共有する、といったことも行っています」
放射線技師や医師といった深い専門知識を持った方からお話を伺い、ニーズを掘り起こすことが求められるため、研究論文などを読み込むといったことにも前向きに取り組める人が向いているのではと、渡辺さんは語ってくれました。

渡辺さん自身も、アクロバイオで働き始めた頃は医師の方からの質問に対して一旦持ち帰り、資料を読み込むなどして対応していたそうです。
「そうした中で徐々に信頼関係を築くことができ、結果的にその方が病院を移られても、『また渡辺さんにお願いしたい』と声をかけていただくことがあります。そういうときに、やりがいを感じますね」
また、社員数が少ないため一人ひとりが幅広い業務を行うことになるのですが、「言い換えれば自分の裁量で行える部分が多く、予定を立てやすいんですね。結果として、有休なども非常に取りやすいんです」と渡辺さん。
先日も一週間連続で休んだ人がいたそうですが、まったく問題はなかったのだとか。残業に関してもほとんどなく、17時半の終業時刻には古畑社長が率先して帰るそうです。
医療の分野にQOLを届けるアクロバイオは、社員のQOLにも配慮する会社だと感じました。