大切なのは信用力。お客様に誠意を持って、真面目に取り組む姿勢が喜びにつながる会社

「大邦工業株式会社」は、製薬業界や食品業界、半導体などの精密機器を取り扱うメーカーなどに必須の設備であるクリーンルームの機器提供などに携わる企業です。事業内容はクリーンルーム各種機器、エアフィルタ・ケミカルフィルタ、空調機器などの販売から、クリーンルームの施工工事・保守、バリデーション測定作業など、多岐にわたります。
本社は都営地下鉄大江戸線の落合南長崎駅から徒歩約4分の新目白通り沿い。従業員数は35名で、業務・事務を担当する社員が10名、技術系が4名、残りの21名が営業担当者で、若手からベテランまでが活躍する職場です。
しかしながらコロナ禍の現在は、営業担当者のほとんどが現場に直行直帰。管理部部長の鈴木さんは、「お客様対応で現場に行く必要がありますので在宅勤務はできない仕事ですが、営業担当者のほとんどは社用車を使うことができますので、通勤時の密は避けられるようにしています」と言います。

一方で電車などでの通勤が必要となる社員については、時短を中心として、ラッシュ時に電車に乗ることを回避できるような体制にしているそうです。加えて、「コロナ禍の影響とは別に、働き方改革の一環として残業時間の削減などにも取り組んでいます」と鈴木さんは続けます。
会社の事業としても、「衛生面により気を遣う風潮でクリーンルームなどの需要が増えたのでは？」との問いに、「会社の事業自体は以前と変わりません。病院関係で需要が高まっているのかも知れませんが、働く社員のリスクが大きくなると考えて、積極的には進出しないという方針を取っています」と、社員を大切にする姿勢を示してくれました。同社は、社員を非常に大切にする企業だということが伺い知れます。
営業担当者は現場に詰めることが多く、最近ではみんなで顔を合わせることが少ないそうですが、先輩社員が後輩の面倒をよく見て育てていく社風であると教えてくれました。

同社の営業スタイルは、お客様先の大切な「製造エリア」である工場などに行き、クリーンルームやフィルタの設置を提案することが多いそうです。その際、作業は専門の協力会社にお願いし、作業を確認し監督する業務を行います。
専門的な知識や経験が必要となってくる仕事ですが、入社後すぐに結果を求められるようなことはなく、「先輩からしっかりと学んで成長してもらいたい。簡単な仕事ではなくて、覚えていただくこともたくさんありますが、最低でも1年は担当のお客様を持たずに、長い目で人材を育てることに力を入れています」と鈴木さんは言います。
その理由は、「中途半端な状態でお客様のところに行き、不誠実な提案をすると会社の信頼を損ねることになってしまいます。しっかりと成長して一人前になってから、お客様への対応を任せることになります」と、同社は信用力を最も大切にしていることを強調します。

営業担当者は、大型案件を除き契約などは自己の判断に任されることが多いと言います。その分、「モチベーションを持って仕事に取り組み、ポジティブなタイプの方が向いているのではないかと思います」と鈴木さんは言います。お客様の大切な「製造エリア」での仕事を、責任者として任されるのですから、お客様とコミュニケーションを取ってビジネスを拡大できるような提案力が必要だそうです。
しかし会社が最も大切にしているのは信用力。例えばミスやトラブルについては速やかに報告し対応するという姿勢が必要だと言います。「判断が遅れると、その後に修復するためのコストはもちろんですが、信用を取り戻すための長い時間がかかります。そのため、地道に、誠実に、正直に業務に取り組んで欲しい」と、鈴木さんは続けました。
じっくりと業務に取り組み、お客様との信頼関係を築き、責任を持って仕事を続ける。その先にはお客様の感謝があり、それが非常に大きなやりがいにつながるそうです。