ツアープランを自ら考え、手配する。旅行業界の面白みを実感できる仕事です
株式会社A-One Travel
インバウンド需要を陰で支える
ツアーオペレーションという仕事
株式会社A-One Travelは、主に海外からの観光客を対象にした旅行会社です。旅行会社にはさまざまな種類がありますが、同社が行っているのは海外の旅行会社から依頼を受け、国内ツアーの企画や手配を行う『ツアーオペレーション』と呼ばれる業務です。
今回お話を伺った荻島響子さんは、学生時代から海外に関わる仕事がしたいと思い、この業界に就職。いくつかの会社を経て、2023年にA-One Travelに入社しました。荻島さんに業務についてお聞きしました。
「ツアーオペレーションは、顧客である旅行会社から予算や日程などの要望を伺った上で、ツアーを企画し、ホテルやレストラン、交通機関などの手配を行う仕事です」
同業他社と比較すると会社の規模は小さいとのことですが、ホテルやバスの手配を分業せずに、一人の社員がすべてを担当する点が特徴とのこと。結果として緊急時などの対応が迅速になり、顧客からも高い評価を得ているそうです。
同社の顧客はヨーロッパの旅行会社がほとんどだと言います。
「中でもトルコからのお客様を多く担当しています。東アジアからのお客様などはリピーターも多く、定番以外の観光地を求める傾向にありますが、トルコからのお客様は初めて日本を訪れるという方がほとんど。なので、京都や箱根といった観光地を軸にツアーを組むことが多いですね」
そんな中でも着物の着付け体験や相撲のショーを行うレストランを組み込むなど、新たな提案を取り入れるという荻島さん。「ツアーガイドの方から『荻島さんの企画、好評だったよ』といったフィードバックをいただくと、やはり嬉しいですね」と、この仕事のやりがいを語ってくれました。
旅行関連の資格はとくに必要なし
業界未経験でも始められる点も魅力
少人数で業務を行っていることもあり、新人研修の基本はOJTになるというA-One Travel。入社後は先輩社員の手伝いをしながら、徐々に仕事を覚えていくことになります。
「自分たちが企画・手配したツアーがどのようなものなのか、またお客様の反応はどうかといったことを知ってもらうため、ツアーに帯同してもらうこともあります」
ちなみに旅行に関する資格や英語力は必要になるのでしょうか。
「旅行関連の資格は、とくに必要ありません。またツアーに添乗するわけでもなく、海外の旅行会社とのやり取りもメールが基本なので、英語に関しても読み書きができる程度で大丈夫です」
コミュニケーション力とやる気があれば未経験でも問題ないとのことで、社内には旅行業界以外から転職してきた社員もいるそうです。
また、働きやすさに関しても繁忙期以外に残業が生じることはないとのこと。海外の顧客相手だと時差の関係で残業が発生しそうですが、「先方にもこちらの就業時間を伝えてあるので、毎朝出社後にメールを確認するだけで対応可能です」と語ってくれました。
外国籍の方も採用していて、実際に社員の半数以上が外国籍という同社。日本語能力試験でN1相当の日本語運用能力があれば大丈夫だとのことです。
最近はホテルやバスの予約にも苦労するという、インバウンド需要の急増。「同様に、当社への依頼も年々増えている状況です。入社後は早い時期から多くの仕事をお任せすることになると思います」と、荻島さんは新たな力に期待を寄せます。
一般にはあまり馴染みのないツアーオペレーションという仕事ですが、「旅行を仕事にしたい」と考えている人にとって、もっとも興味のある分野の一つとなる職種なのではないかと感じました。
よく聞かれる質問に人事担当者が答えます。
- 会社ってどんな雰囲気?仕事でみんなと話すときってどんな感じ?
- 外国籍の社員が7名中5名在籍しており、とてもグローバルな環境です。小規模な会社ならではの和気あいあいとした、アットホームな職場です。社内の公用語は日本語ですが、外国籍の社員も含めて、分からないことを気軽に聞ける環境が整っており、新入社員の方も自然に馴染むことができます。
企画から手配まで、ツアーに関わるすべての業務を一貫して経験することができ、大きな会社では得られない幅広いスキルを習得できます。
また、やる気次第で新規顧客開拓や、今までにない新しいツアーの企画にも挑戦できます。前向きに仕事に取り組んでいただける方にとって、大きなやりがいを感じることのできる職場だと思います。
- 仕事ってどんな感じ?めっちゃ大変だったりする?
- 外国の方向けのサービスを提供しているため、日本特有の考え方が通じないことも多々あります。とくに日本の法律(労働条件や道路・交通規制など)に基づいてツアーを遂行する必要があり、外国では一般的な行為が日本では認められないケースもあります。そのため、日本のルールを丁寧に説明し、ご理解いただけるようコミュニケーションを取る必要があります。
また、宗教や個人の嗜好による食事制限を持つお客様が日本人より多く、その対応には細心の注意を払っています。天候の変化により予定の変更を余儀なくされることもあり、状況に応じた臨機応変な対応力も求められます。
大変な面もありますが、ツアー終了後に「日本を好きになった」といったポジティブな感想をいただくことも多々あり、やりがいを感じられる仕事です。
- 食事会や飲み会、社内イベントとかってあるの?あるとしたら、どんな内容ですか?
- 定期的な開催は定められていませんが、年に数回、社員での食事会を実施しています。今年は、ツアーで利用しているレストランの視察を兼ねた食事会を開催しました。この機会を通じて社員同士の交流を深めるだけでなく、自分が手配している食事の内容や改善点について意見を交換することができ、仕事への理解も深まりました。
また、外国籍の社員が多いという特徴を活かし、各自が自国の料理を持ち寄って昼食会を開いたこともあります。社内の雰囲気は和やかで風通しが良いため、新入社員の方からも自由に提案していただき、新しいイベントを企画することができます。