ICT化を進めて新しいサービスを構築。新宿発・介護業界のイノベーター

株式会社エイプレイス（新宿区西新宿）は、在宅高齢者向けサービスやITシステムを提供するホームネット株式会社のグループ企業です。介護保険に「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」が導入された2012年、「直接、介護現場にも参入しよう」と設立、現在は東京・神奈川・埼玉・兵庫に5事業所を展開しています。
エイプレイス新宿の開設は2015年。高田馬場にある事業所で執行役員　事業統括の和田篤昌さんにお話を伺いました。「＜定期巡回・随時対応サービス＞は、日時指定・訪問回数制限のある従来の訪問介護とは異なり、利用者様が必要な時に必要なだけ訪問する新しい介護サービスです。緊急コールで駆けつけることができるので、最期まで自宅で過ごしたいという高齢者にとっては安心。需要の高いサービスですが、運用が難しく定着しない場合が多いようです」。なぜエイプレイスなら運用できるのか。一つの理由が同社の進んだICT化にあります。

＜定期巡回・随時対応サービス＞が難しいのは、まず24時間体制が必要な点にあります。そこで、エイプレイスが活用しているのが、＜定期巡回・随時対応サービス＞専用業務支援システム（スマケア）です。スケジュール・指示書・訪問記録・申し送りといった情報は完全にデータ化し、緊急コール受付などを含めてクラウド上で一元管理。スタッフの書類作業は基本的に紙ではなくスマホベースでリアルタイムに更新、関係各者はそれぞれのパソコン・スマホで共有します。機器の貸与や研修などIT環境の土台も整備。こうしたICT化が他の介護業者と連携することを可能にし、「チーム型定期巡回」を実現させました。「新宿ではすでに地域一体となったサービスが構築されつつあります。ここまでできているのは、あまり例がないでしょう」と和田さん。キャリア採用の若手スタッフには「すごいサービスの形、これがスタンダードになれば介護が変わる！」と驚いて入社した人もいるそうです。

しかし、業務のICT化や同業他社との連携について、疑問に思う介護事業者さんも当然います。＜定期巡回・随時対応サービス＞自体、まだ認知度が低いことも課題。そのため、エイプレイス新宿では、スタッフ自ら地域の事業所で＜定期巡回・随時対応サービス＞のご提案をすることも。「営業的な仕事など、幅広い経験ができるのも当社の特色です」。
また、訪問介護というと家事援助が一般的なイメージですが、＜定期巡回・随時対応サービス＞の中心は身体的ケア。入浴・排泄介助や服薬・水分補給サポート、ターミナルケアまで行います。夜中の緊急コールで駆けつけた時でも、ご利用者様が安心できるようにユニフォームは医療従事者が着用することの多いスクラブ型を選択。「最初はポロシャツでしたが変えました。身体的ケアをするプロフェッショナル集団として見てほしいので」。スクラブ型ユニフォームも、信頼されるエイプレイスでありたいという表現の一つです。

コロナ禍の影響は、エイプレイスの場合、サービス需要の増加という形で表れています。厳しい面会制限のある施設・病院を避けるなど、在宅介護を選択する高齢者の方が増えてきたため、事業が拡大。エイプレイス新宿でも新しいスタッフを募集しています。「エイプレイス新宿は比較的若い世代（30代）が中心となっている事業所で、男性スッタフが多いのも特色です。もちろん女性も歓迎。ご利用者様の家庭に入る訪問介護は女性にとってやりがいのある仕事だと思います。産休・育休から復帰して時短勤務をしている先輩もいます」。外国籍の方については、日本語力・コミュ二ケーション力を考慮（雇用実績あり）。介護実習を受け入れている専門学校の生徒の中には留学生など外国籍の方も少なくないので、「採用は本人次第」と和田さんは言います。
訪問介護を新しいスタイルに変えるために、自分たちで成功事例を作ろう！という意欲のある方、お待ちしています。