幅広い販路と独自の商品提案力を武器に国内外の食肉を輸入・加工販売する専門商社

株式会社赤塚屋は、2024年に創業70周年を迎える食肉専門商社。国内のほか、米国や豪州、カナダ、スペイン、ブラジルなどの原産地から自社輸入して販売するほか、大手ハム・ソーセージメーカーや冷凍食品会社への原料供給も担っています。また2カ所の支店に加工工場があり、肉のスライスなど一次加工品も手がけています。
赤塚屋の強みについて、営業本部次長のKさんが次にように話してくれました。
「原産地で直接交渉して仕入れるので、ダイレクトに現地情報を入手できるのが強み。大手商社などに比べ小回りが効くことを武器に、差別化した商品提案もできます。加工や配送まで一貫して受けられるので、『うちにまとめて任せてください』と言えるのも強みですね」
問屋や小売業者、食肉卸売業者など多様な販路や売り先を持っていることや、牛豚鶏と全畜種手がけていることも、業績の安定につながっているそうです。

赤塚屋では、どのような人材を求めているのでしょうか？
「マルチタスクに柔軟に動ける人。従来のやり方をベースに、自分なりに考えて動ける人がいいですね。海外との交渉業務もあるので、英語が得意な人も来てくれたらうれしい」
赤塚屋の社風を「家族的」と語るKさん。個人面談は年3～4回と手厚く、社員の声に親身に耳を傾けているとのこと。本人の適性や希望を聞き取ったうえで部署の異動につなげるなど、キャリア形成に活かしています。新宿本社では20代の女性社員も多く、女性目線からの意見も大事にしているとか。
「産休から復帰し活躍中のメンバーもいます。子どもの風邪などで急遽休まなければいけないときなども、みんなで自然にカバーしていますよ」
会社が今後めざすのはファブレスメーカーとのことです。
「人員も増やし、いま以上に提案型にしていきたい。生産を外部委託にし、そのリソースをお客様への提案部分に集中させたいと考えています」
ECサイトの活用にも着手しており、ITを活用し効率化を図ることも課題だとか。
「老舗の良さと、変われる強さ。その両方を伸ばしていきたいですね」とKさんは語ってくれました。

次に話を伺ったのは、営業として活躍中のNさん。面接時に感じた会社の雰囲気が入社の決め手になったと言います。
「他社の面接では、緊張して思うようにしゃべれないことが多かったのですが、赤塚屋の面接だけはリラックスして、自分らしく話すことができました。いま入社5年目ですが、相談しやすいアットホームな環境で、のびのびと仕事ができています」
実はNさんは事務職希望で営業事務として入社。営業担当者のアシスタントを務めるなかで、お客様から電話応対を褒められることも多かったとか。そうしたNさんを見ていた社長や上司から営業職に向いているのではないかと勧められ、チャレンジすることになったそうです。
営業になって2年。スペイン産などの輸入原料を主に担当し、商品の発注業務やデリバリー対応のほか、商談にも参加するようになったと言います。
「顧客のニーズは十人十色で、見合う商品を探すのが難しいことも。そんなときはチームの力が頼り。チームはまるで家族のようで、一体となってさまざまな仕入れ先を検討し、ベストな提案を考えて商品を提供しています」

「私たちは売り手と買い手をつなぐパイプ役」と語るNさん。めざしているのは「仕入れ先もお客様も全員がwin-winになること」だとか。
「そのためにも、市中にモノが出にくいときなど難しい状況でも最後まで諦めない。納得のいく答えをめざしてトライする姿勢を大事にしています」
その姿勢が大口の成約に結びついたケースで成長を実感できたと言います。一方で、忘れられない失敗談も話してくれました。
「同じ肉の部位でもどう使うかによってお客様が求める産地やサイズが異なります。経験が浅かった頃、求められた規格と異なる商品を提供してしまったことがありました。確認不足と、これで大丈夫だろうという思い込みもあったと反省しています」
失敗を糧としてきたNさん。現在の課題についても「営業としての押しの弱さ」と明確に捉えています。
「お客様との関係を大事にしつつ、押さなければいけないときは、強気で交渉できるようにしたい。それが営業力の向上になると思っています」
Nさんのインタビューから伝わってきたのは会社の一体感が確かな力になっていること。Kさんが最後に語った「老舗の良さと、変われる強さ」も、その一体感が源になっているのだろうと感じました。