会社を取り巻く環境が変わろうとも 「人の力」を武器に、変化に対応する

西新宿4丁目の山手通りに面したENEOS（エネオス）西新宿サービスステーション（SS）。このガソリンスタンドを運営する関東石油株式会社は、同じ場所に本社を構えています。創業は、日本で本格的なモータリゼーションが始まる以前の1954年のことでした。
「先代の社長が50坪ほどの土地に給油ポンプを1本設置して事業を開始した頃は、山手通りは未舗装でクルマもたまに通る程度でした」こう話すのは、二代目となる代表取締役社長の竹村克己さん。
「その後、モータリゼーションが急速に発展したのに伴い、石油業界も大きく成長したのですが、そんな中で私たちはあえて効率性を重視し、地域に密着した戦略を展開してきました」
石油業界はモータリゼーション発展の恩恵を受ける一方で、オイルショックや震災などの危機も何度か経験してきました。
「長く続く企業には見えない力があり、そこで人が育っていきます。やはり、企業の本当の強さというのは『人の力』なんです」

クルマ社会には欠かせないSSですが、近年はお客が自分で給油をするセルフサービス方式の店舗が増えています。弊社も給油はセルフサービスで営業をしていますが、洗車事業はフルサービスで営業しています。商品受注後はお車の移動から、機械洗車、手洗い洗車、コーティングまで全て弊社スタッフが行います。カーボンニュートラルや脱炭素社会といったキーワードが注目されるように、石油業界は今後、大きな変革期を迎えます。そんな時代にも洗車の需要は無くなりません。お客様の考える仕上がりにする為、お客様とのコミュニケーションから様々な情報を提供し、的確な作業の提案ができる『人の力』が大きいのです。商品、作業の押し売りでは無く、お客様が決断をしやすい様に会話の中で自然に提案を出来るコミュニケーション力が大切です。
関東石油ではどんな人材を求めているのでしょう？
『変化を楽しめる人』には面白いのではないかと思っています。新しい商品やサービスを　考案し、新しい事にチャレンジして変化を起こす、それを楽しめるような人が良いですね」

クルマが好きで関東石油に入社したわけではありませんでした。最初は営業をするつもりで入社しましたが、研修を受けながらSSで働くうちにだんだんと仕事がおもしろくなってきたと言います。
「最初は『なんでガソリンスタンドなの？』という気持ちでしたが、実際に始めてみると、お客様と直接触れ合えることや身体を動かすことが楽しくなりました。研修は半年間でしたが、その間に『これならやれそうだ』という気持ちに変わりましたね」
また、仕事が楽しくなったのは、お客様とのコミュニケーションから多くの会話を出来る様になり、お客様に名前で呼んで頂ける事がとても嬉しかったです。給油はセルフサービスなので直接の仕事はありませんが、洗車や作業をして頂いたお客様にリピーターになっていただけるかはスタッフの努力次第なので、営業をやりたい人には向いています」

営業部で働く女性スタッフの永井希さんは『クルマに関する仕事がしたい』という理由で関東石油を選びました。
「職場では男女の関係なく、同じように扱ってくれます。ただ、以前SSで働いていたときには、残念ながらお客様からの女性スタッフへの信頼感が低いことを痛感する出来事もありました。だから、それ以降は自信を持ってお客様に対応できるよう、さらに熱心にクルマや整備のことについて勉強するようになったのです」永井さんの職場はその後、SSから本社へと変わりました。
「SSと本社では仕事の内容がまったく異なりますが、どちらも『お客様が第一』という心がけで臨んでいます。お客様は何を望んでいて、何をすれば喜んでいただけるかを考えて仕事をする、それはどちらでも一緒だと思います。今は会社の全体像が把握できたので、いずれはマネージメントもやってみたいと思っています」