企業の情報漏洩を確実に防ぐ。これからの社会で必須のシステムを開発

『私たちが、情報漏洩を防ぐ』を企業理念とするワンビ株式会社。近年、ニュースなどで「ビジネスマンが電車内に鞄を置き忘れ、そこに入っていたノートPCから情報が漏洩した」といったニュースをよく目にします。
まずは、代表取締役社長である加藤貴さんに事業についてお聞きしました。
「当社では、ノートPCなどのモバイル端末を紛失したり、盗難されてしまった時など、保存されたデータの漏洩を防ぐために、ネットワーク経由で遠隔操作によりロック、もしくは消去する『トラストデリート』というソフトウェアの開発・販売・保守を行っています」
コロナ以降、リモートワークが定着しましたが、同時に会社の重要なデータを持ち運ぶといった機会もこれまで以上に増加しました。こうした状況は今後も続くと考えられ、データ消去ソリューションは、これからの社会で必須の技術といえます。

ワンビでは創業当初から、データ消去ソリューションの開発・販売を行っています。最初は個人向けに家電量販店などで販売していたそうですが、日本ではセキュリティという概念が欧米ほど強くなく、当初は苦戦していたそうです。
転機が訪れたのは、あるとき日本の大手電機メーカーのPCに採用されたこと。またアメリカの最大手CPUメーカーにも着目され出資を受けたことで、日本国内のPCメーカー各社からも依頼が来るようになったとか。
取締役で管理本部長の荻原裕英さんに現在の状況をお聞きすると「現在は国内2,500社の企業と取引を行い、75万ライセンスを発行しています」と応えてくれました。
データ消去ソリューションを扱う会社はワンビ以外になく、市場はまさにブルー・オーシャンなのだとか。
「だからこそ、熱意を持った多くの人材に来てもらいたいですね」

そんなワンビがデータ消去ソリューションの次に注力しているビジネスが「証明書」です。
たとえば数年前に、行政機関が廃棄したハードディスクに関して、廃棄業者がきちんとデータ消去を行わないままオークションに出品したため個人データが漏洩した、という事件がありました。企業や行政が廃棄を依頼しても、専門業者がそれを行わなければ意味がありません。
「ワンビでは国内のPCメーカーなどと連携して第三者機関ADEC（データ適正消去実行証明協議会）を立ち上げ、復元が困難な消去方式と、適正に消去されたことを証明するデータ消去証明書を発行する体制を整えました」
PCに限らず、さまざまな電子機器に情報が記録される昨今、こうした証明書を発行することが社会の「当たり前」になってほしいと、加藤社長は期待を寄せています。

ワンビでは昨年度から新卒採用をスタートさせました。営業職としての採用が中心なので、基本的にはOJTという形で先輩社員に同行しながら仕事のノウハウを学んでいくといいます。
人材育成制度について、取締役の荻原さんにお伺いしました。
「もちろん専門性の高い自社製品を扱うので、開発本部の社員を招いて頻繁に勉強会を行って、技術的な部分の知識を養うようにしています」
独自のデータ消去ソリューションはワンビの強みでもありますが、その良さを企業に提案し広めていくという部分に、多くの社員はやりがいを感じているとも語る荻原さん。だからこそ、熱意のある人に来てほしいそうです。
「当社は大企業ではありませんから、常に上司から指示が与えられるわけでもありません。自ら率先して動けるような人が理想です。また、自分の裁量で行える業務が多い点に、魅力を感じる人に来てほしいですね」
一方で加藤社長も今後の同社の目標と、そこで求められる人材について語ってくれました。
「最近はテレビを点けたときに、そのテレビに使われているソフトウェアのロゴマークがまず表示されますよね。私の夢は、そこにワンビのロゴが加わることなんです。既存のOSなどをベースにしたソフトウェア作りが中心となる多くのIT企業と異なり、当社ではオリジナルのソフトウェアをゼロから作ることになります。だからITの世界でイノベーションを起こしたいと考えるような人と一緒に働きたいと思っています」