地域の抱える課題を調査・分析し、誰もが心地よく暮らせる持続可能な街づくりを提案する建設コンサルタント

株式会社サンワコンは、福井県内最大手の総合建設コンサルタント会社です。建設コンサルタントの業務は、建築物や道路、区画整理などの工事に取り掛かる前の地質調査・測量調査、補償、設計など。たとえば、新たな街や道路を作る場合、建設コンサルタントは、街や道路を作る場所を決め、その周辺の地質の調査や測量を行い、用地の買収などを計画します。
同社の設立は、戦後まもない1949年のこと。
「終戦の年に空襲を受け、戦後は大震災が襲ったりと、福井は戦中戦後に大きな打撃を受けました。少しでも福井の復興のために力になりたいと、測量や区画整理事業を開始したのが事業の始まりです」
そう話すのは、執行役員で東日本本部長を務める辻隆治さんです。
その後、サンワコンは事業の領域や営業エリアを広げ、1977年に東京に進出。現在、東京支店では、東京・埼玉・千葉・神奈川と関東一円をカバーしています。近年は、豊洲市場の排水設備等設計（2019年）や、西東京市の耐震改修促進計画策定支援業務委託（2020年）などを手掛けてきました。

会社設立から70年あまり。戦後の混乱期、復興期、高度経済成長期、バブル経済、長期にわたる平成不況、超高齢社会の到来と、とりまく状況は目まぐるしく変わってきました。その変化について辻さんにお伺いしました。
「少子高齢化が進み、人口が減少する現在、宅地の開発ペースは以前よりもかなり落ち着いている印象です。それに代わり、近年増えているのは、施設や道路の老朽化対策や災害に強い街づくり、脱炭素社会に向けた取り組みなどですね」
今後もさまざまな社会の変化が予想される中、どういった人材を求めているのでしょうか。
「人が住む場所や環境を少しでも良くしていこうというのが、当社の設立時からの変わらない思い。時代が変わってもこの理念を共有し、自分で課題を見つけて提案していく力は大事ですね」
建設・土木は男性のイメージが強いですが、最近は女性も増えているそうです。また技術者として必須の資格の取得をサポートするために、資格取得セミナーも行うなど人材育成にも力を入れています。

続いてお話を伺ったのは、営業担当の杉山貴久さんです。クライアントである都庁や区役所などの官公庁に出向き、サンワコンの技術力をアピールしたり、提案書を提出したり、案件に入札するのが主な仕事。何度も足を運ぶ中、杉山さんは「空き家問題」や「カーボンニュートラルに向けた2030年目標」などへの対策が求められていることを、肌で感じていると話します。
杉山さんが入社したのは2019年12月。入社した理由は、街づくりに携わる仕事をしたいというのもひとつですが、雰囲気のよい社風も決め手になったといいます。
入社後、実感しているのは働きやすさ。新型コロナの流行により一気に広がったテレワークですが、同社の本社が雪の多い福井にあることから、積雪によっては出社が難しいという声を受けて、コロナ以外の場面でも活用されているようです。
「必要とあらば社員の声に耳を傾け、柔軟にアイデアや提案を取り入れてくれる会社であることを実感しています。こうした社員の働きやすさを優先して考えてくれる姿勢は、会社への信頼感にもつながりますね」

サンワコンは、ライフステージが変わっても社員が長く働き続けるられるようにと、さまざまな制度を整えています。育児、介護と仕事を両立するための時短勤務や、育児休暇、介護休暇を整備。テレワークを活用した在宅勤務も可能です。
働きやすさへの取り組みについて辻さんは、誇らしげに語ります。
「実はこうした取り組みは今に始まったわけではないんです。今から20年も前の1999年には、厚生労働省が仕事と育児・介護の両立支援に取り組む企業を表彰する『ファミリーフレンドリー企業』にも選定されていたんですよ」
東京に拠点を置いて今年で46年目。辻さんに今後の東京支店の目標についてお聞きすると、力強い言葉で語ってくれました。
「都心部での受注に、より力を入れていきたいと考えています。そのためにも人材層を厚くすることが大事。即戦力として活躍できる経験者はもちろん、経験が浅くとも街づくり、環境づくりに携わりたい人とともに、ぜひ実現させていきたい」