提案力と対応力でメーカーと工場をつなぐ、アパレル業界に欠かせない存在

アパレルメーカーにとっては欠かせない存在といえる、自社製品のOEM / ODM生産を請け負う企業。そのひとつである株式会社ルートローブは2016年創業とまだ若い会社ながら、企画から生産までを行うことで多くのアパレルメーカーから信頼を集める会社です。Tシャツなどのカットソーアイテムやニットを中心に、若い世代を対象としたカジュアルなアイテムを得意としています。
営業責任者の井上滝介さんにルートローブの強みについて聞きました。
「当社ではメーカーからの依頼を受けて商品企画を行い、その製造を中国の工場へ発注します。1,000枚から依頼を受けるといった工場が多い中、当社が契約している工場は30枚という小ロットでも対応が可能。そうした対応力の高さが、お客様からも評価されているのだと思います」
さらに、そうした契約工場を複数持っていることで納期や数量の相談にも応えられる点、プリントものや柄ものなど、得意分野がある点も同社の強みとのことです。最近はそうした強みを活かしつつ、コートやスーツ、ワンピースといった重衣料など新たな分野にも挑戦しており、今後がますます楽しみです。

中国の工場と、ネットを介して日々打ち合わせを重ねているルートローブですが、入社を希望する場合、中国語が話せた方が有利でしょうか？
「いいえ。中国の工場の担当者は日本語が堪能なので、とくに必要はありません。私自身、中国語はまったく分かりません」
「それよりも」と井上さんが語ってくれたのが、コミュニケーション能力の重要性でした。
「当社の立ち位置は、売る人と作る人の間で双方の要望を聞きながら、ものづくりを円滑に進めていくようなポジションです。アパレルメーカーの要望には漠然としたものもあるので、それをうまく聞き出してイメージを形にし、工場へと伝えることが重要です。そういう意味で、コミュニケーション能力がある人が向いていると思います」
その上で、商品の詳細を詰める際にアパレルメーカーや工場の担当者にも臆せず意見を言うことのできるような人材がほしいとのことでした。

次にお話を伺ったのは、入社2年目で企画営業を担当する張悠佳さん。海外の専門学校を卒業後、日本でパタンナーとして働き始めた後、ルートローブに転職しました。同じアパレル業界からの転職でしたが、業務内容は異なるため、研修は座学での勉強からスタートしました。その上で、先輩社員に同行しながらのOJTと電話での営業活動という形で、業務が始まったそうです。
「当初は電話での営業に不安がありましたが、運良く受注につながりました」という張さん。現在は約10社ほどのメーカーを担当して受け持っているそうですが、その中にも入社当時の電話営業で獲得した顧客がいるそうです。
とはいうものの、顧客に提案を行ったり、工場の担当者と意見をすり合わせたりと覚えることも多く、井上さんによると「一人前になるには3〜5年ほどかかります」とのことでした。ただ、それだけ経験を積めば自分の裁量で仕事を進めることができ、より仕事が面白くなるに違いありません。
「まだまだ勉強の日々ですが、自分がかかわった服が完売したり、メーカーのSNSで『いいね』をたくさんもらっているのを見ると、とても嬉しくなりますし、やりがいを実感します」

ルートローブの代表者が女性であることもあり、産休、育休についても制度が整っているルートローブ。また、残業が少ないのも特徴のひとつです。定時は19時ですが、18時を過ぎて仕事が終わっていれば帰ってもいい制度があり、社員にも好評だそうです。
有休も取りやすく、入社2年目の張さんも有休で旅行などを楽しんでいるとのことでした。そして「当社独自の制度として、誕生日休暇という制度もあります」と井上さん。それぞれの事情に合わせ、柔軟な働き方を常に検討しているという井上さんのお話が印象的でした。
社員数が多くないこともあり、一人ひとりが提案から納品までといった服作りの一連の流れをトータルに任されているルートローブ。ここならアパレルの仕事全体を身に付けることができると確信しました。