高級カーテンなどの製造・販売で確かな実績、独自のノウハウで新たな需要にも応える会社

「サイレントグリス株式会社」は、カーテンやスクリーンなどのウィンドウトリートメント製品の輸入・製造・販売を行う会社。世界で初めてアルミ製カーテンレールと樹脂製ランナーの組み合わせ開発を行ったスイスの「サイレントグリス社」と、日本のカーテンレールトップシェア「トーソー株式会社」により合弁会社として設立されました。
新宿区四谷坂町の本社を尋ね、代表取締役社長の笠井浩太さんにお話を伺いました。オフィスにはさまざまな形のカーテンやスクリーンがかけられています。
「私どもの製品には、たくし上げ式のカーテンやロールアップスクリーンなど、高品質で高価格帯のものがほとんど。設置するのはラグジュアリーな場所が多く、金物の部分の設計や建築に関わる部分に評価をいただいています」
顧客には輸入カーテンのメーカーが多く、国内ではインテリア専門の商社や設計施工を行っている業者への販売が多いそうです。

コロナ禍においては、「お客様の中には苦しまれているところもありましたが、私どもは少しでも何かお役に立てるような情報を提供していくことを考えました」と笠井社長は振り返ります。
そして社内については、「社員の感染防止を第一として、柔軟な勤務体制を運営しています」と強調します。しかし一方で、建築現場と関わることが多い同社の業務については、「現場は止まっているようで止まっていなかった」とし、同社の働き方について次のように語りました。
「出社しなくても、現場と自宅で見積もりをしたり、書類の整理を行ったりする直行直帰を認めました。内勤者もテレワークができない業務については出社していましたが、仕事が滞ってしまっても、週に2～3日の在宅勤務という対応をしました」
「制度上の仕組みを作らなかった」と言いますが、勤務時間の短縮を認めるなど、非常に柔軟な形で社員の安全を守ってこられたようです。

同社の従業員は17名で、うち営業担当者は8名。男性が12名に対して女性が5名、正社員が11名で契約社員が6名。さまざまな境遇にある方々が活躍しています。
「営業が多いのですが、それ以外の仕事は一人の担当者がその業務を任されている状況です。特に女性は受注業務だったり、CADで設計・図面作成を行ったりと、エキスパート的な存在がいます。もちろん営業においても活躍のステージがあります」
しかし「高級インテリアの仕事のハードルは高いのでは？」という問いに対して、笠井社長はこう答えてくれました。
「営業の場合、約半年は担当を持たずに学んでもらいます。私どもの製品は普通では使わない場所に取り付けるようなものが多くて、弊社独特のノウハウがあるのです。2～3カ月は社内で学び、後は先輩社員と一緒にお客様と接し、実際に体感して身につけてもらいます」
この結果、お客様以上の製品知識をもって独り立ちできるそうです。

女性でもヘルメットをかぶって現場に出向き、お客様に特殊なカーテンやスクリーンのソリューションを提供していく同社。社内の雰囲気はどうなのでしょうか？
「上下関係や予算達成のために厳しさを追求するような会社の風土はありません。難しい現場に関しては、自身の営業や現場での経験で得られたノウハウをお互いに共有し合って、相談しながら進めているのだと思います」
そして最後に、同社が今後どう歩んでいくのかを伺いました。
「コロナ禍で思うようにはいかないのですが、この先には私どもの製品が使われる場面が増えて、拡大していくのではないかと考えています。例えば住宅で使われていたメインの商品が、オフィスの中でも需要が出てきているというプラスの変化も起きています。これから楽しみになっていく市場で仕事ができると信じています」
笠井社長は、確かな技術力とこれからの需要の高まりを予測し、「ご縁があれば一緒に進んでいける方々と出会いたいですね」とインタビューを締めくくりました。