介護・福祉分野でのIoTサービス提供。より良い成果を出す為、自由な働く環境を整備

「株式会社システムツー・ワン」は1986年に創業した、35年を超える歴史を持つIT企業です。IT事業としてシステム構築の受託開発、お客様先常駐開発で提供するSEサービスなどを提供しています。加えて同社の大きな特徴として、デイサービス事業にも従事し、IoTで支える介護の運営、介護・医療を主軸としたIoT製品の開発・販売も行っていることがあげられます。
代表取締役社長の福田佳子さんは、「2000年に介護保険制度が開始された頃から、高齢化の進む日本で介護分野のニーズが高まると考えていました。ITリテラシーが高くない介護の現場で使いやすいシステムを提供すること、そして製品を売って終わりではなく、定額制のシステムでサービスを提供することも念頭にありました」と、介護事業との関わりについて話します。そして完成したのが介護事業所向け管理システムの「リンケア21」シリーズという自社開発のソフトです。

このソフト開発には、介護現場での困りごとなどを知るために2011年に介護事業所を開設したことが大きく関与しています。現在では千葉県内で3カ所のデイサービスを運営していますが、現場にシステムエンジニアが赴き、働くヘルパーと同じ仕事に取り組んだこともあるそうです。「介護にITを活用すると言っても、ITに詳しくない現場から納得できる答えはなかなか返ってきません。ITと介護をリンクさせるには、双方を知っている人が必要だったのです」と福田さんはその狙いを語ります。
この取り組みはシステムエンジニアにも意外な効果があったそうです。実際に技術を駆使して想いのこもったシステムを作り上げたとしても、現場から要望は多くあがってきます。「介護現場に限らず、本当に良いものを作るには、ある程度の時間とやり取りが必要で、現場の仕事を通して学べたことは大きかったと思います」と福田さんは続けました。

同社のもうひとつの特徴は女性社員の多さで、現在は約4割を占めているそうです。ITデザイン部部長の岩根理沙さんは、「コンピューターは子どもを育てるのと一緒。人がものを教えることでコンピューターは動く」という福田社長の言葉が刺さり、入社を決めたと言います。文系出身の岩根さんは、研修を経て任された仕事を一つひとつこなして次第にエンジニアとして成長し、現在は案件およびスタッフの取りまとめの役割を担っています。「部長職を任されたのは自分にとって一番の挑戦。いつか保育に関するシステムを手掛けてみたい」と前を向きます。
一方で同社が求める人材は、「自由で働きやすい環境の中で、挑戦してしっかりと成果を出せる人」だと、取締役兼IT業務本部・採用担当の湯澤良哉さんは語ります。年間125日程度の休暇実績、コアタイムのあるフレックスタイム制、テレワーク制度の整備など、社員が裁量を持って働ける環境が同社にはあります。

コロナ禍が来て初めて時短などの働き方を整備する企業が多い中で、「弊社はもともとワークとライフの両方を大切にする制度が整っていましたので、特に慌てて変更することはありませんでした」と湯澤さんが言うように、同社には社員一人ひとりに、持てる力を十分に発揮してもらいたいという長年の想いがあったそうです。「育児を優先して働くこともできますし、仕事が終わってからの趣味を一番に考える人でも構いません。その人が自由に働けて、しっかりと成果を残すことできるような職場を目指しています」と湯澤さんは続けました。
そして、男女の別や国籍、その人の生活環境や趣味嗜好に左右されず、平等にキャリアパスを描くことができることが理想だと言います。「人のくらし、人の心を豊かにするシステム」を社会に提供することを目指す同社は、サービスを提供する顧客と働く社員の双方が豊かになることを目指しているように感じられました。