未経験でも始められる、日本の国際化を後押しする「日本語教師」という働き方

株式会社フジ国際交流センターは、新宿と鶯谷（または新宿区と荒川区）にある日本語学校「フジ国際語学院」の運営を担う会社です。同校は1989年の設立以来、数多くの外国人に日本語を指導し、国内の有名大学への留学や日本企業への就職に貢献してきました。2018年に入社し、教務課で授業を担当すると同時に現在はチーム長も務める鈴木朝子さんにお話を伺いました。
「大学時代に資格を取得し日本語教師を目指したのですが、当時はなかなか厳しく、一般企業に就職しました。けれども入社して数年が経ち、マネージャー職を任されるようになると『やっぱり自分は誰かを指導する仕事が好きなのだ』と実感したのです。そこで、ブランクはありましたが日本語教師に再チャレンジしました。弊社は日本語学校の中では比較的規模が大きく、正社員として採用されるということで志望しました。資格があれば未経験でも可、という点も大きなポイントでした」
入社後は、まず授業を見学しながら教育計画などを自分なりに考え、その後は先輩教師に見守られながら授業を少しずつ受け持っていったそうです。現在は、生徒の志望大学・学部に合わせて過去問題集を解いたり、志望理由書や研究計画書の確認をしたりするほか、新人教師の指導なども行い、忙しい毎日を送っています。
「日本語を普通に話してきた私たちは、海外の人が日本語のどんな部分に疑問を持つのか気付かないこともあります。そうした部分をきちんと教えることができたり、逆に異文化について自分自身も理解を深められたりすると、この仕事に就いて良かったと思いますね」

フジ国際交流センターの場合、半数以上が女性社員であり、産休や育休といった制度も取りやすい環境にあり、復職する社員も多いとのことです。
「またこれは男女に関係なく、いろいろな相談をしやすい社風だと思います。私は未経験から教壇に立ったので、先輩教師からのアドバイスがとても力になりました。今はそれを新人教師に伝えるよう努めています」
今後は日本語教師も国家資格となり、これまでより待遇も良くなっていくのではないかと期待を寄せる鈴木さん。同時に日本語教師の役割についても語ってくれました。
「コロナの時期は日本への留学希望者も大きく減りましたが、現在は以前の水準まで回復しています。日本は国の施策もあり、これからますます多くの外国人を受け入れることになるはずです。その際、外国の人たちにとって最初の入口となるのが日本語学校であり、日本語教師です。日本語だけでなく日本の文化や歴史、マナーなど、多くのことを教えていかなくてはなりません」
街を歩いていても、電車に乗っていても、海外の人を見ない日はない現在の日本。日本語教師が担う役割は、今後ますます重要になっていくのではないでしょうか。