市場が拡大する韓国・中国コスメ。輸入から品質・安全管理、販売までワンストップで提供

バラエティショップやドラッグストアのコスメコーナーで、近年、存在感を高めているのが、韓国や中国のコスメ。品質の高さはもちろん、日本製とはひと味違う個性的で可愛いパッケージが、Z世代をはじめ、幅広い女性に人気です。現在、大ブームの韓国コスメの輸入・販売を始めた先駆け的な企業ともいえるのが、今回訪ねたスターデザイン株式会社。韓国・中国の化粧品輸入、卸売、直営店の展開や通信販売、プロモーションまで、ワンストップで展開しています。
「もともとは、化粧品とは関係のないデザイン事務所からのスタートでした。韓国から石けんを輸入することになったことをきっかけに、海外から化粧品を輸入・販売するための認可も取得。2007年から化粧品の輸入・販売事業を開始しました」と、スターデザインの成り立ちについて説明するのは、貿易事業部次長の小野理恵子さんです。
当時、日本は韓流ブームを迎え、韓国コスメにも注目が集まり始めていた頃です。化粧品輸入・販売のための認可を持つ同社は輸入を代行することも増え、徐々に業務を拡大。今もなお、韓国コスメブームをけん引し続けています。

海外から輸入した化粧品を消費者に安心して使用してもらうためには、品質チェックや安全管理も大切。スターデザインでは、化粧品の成分分析や安全性検査ができる研究所も整備しています。
「業務を行う中、今、必要であると感じたものに対しては出費を惜しまず、即、取り入れるのも弊社の特長です。拡大する輸入コスメ市場や、商品のスムーズな供給のために、2022年には物流センターも2カ所開設。今年4月には、西日本初の直営店を大阪にオープンしました」
トレンドの移り変わりが激しい中でも、安定した成長を続けているのは、こうした時流を捉える力や決断力、スピード感があるからなのでしょう。
研究所も今後、分析項目を増やして、さまざまな成分分析に対応できるように規模を拡大していく予定だとか。まだまだ変化と挑戦を続ける同社が求めている人物について、小野さんに尋ねました。
「日本では良しとされる"空気を読む、様子をうかがう"は、私たちのビジネスの対象である海外では通用しないことが多いのです。受け身ではなく、自発的に動くことできる人、そして適切に自己主張できる人を求めています」

続いてお話を伺ったのは、企画営業部の吉川桃代さん。まだ日本では知られていない海外の化粧品を発掘し、それを日本で販売できるように、海外・日本の双方において交渉・調整する仕事を行っています。もともと、韓国の文化や化粧品に興味があった吉川さんは、入社前に韓国語をある程度習得していたのだそう。今は得意の韓国語を駆使して、韓国のビジネスパートナーとやりとりをしています。
「隣の国といえど、韓国は文化やビジネスに対する考え方が日本とは違うので、その間で板挟みになることもしばしば。すでに日本での発売日は決まっているのに、商品は現地の工場から出荷されないということもありました」
そんな苦労したエピソードを話す吉川さんですが、その表情はとても朗らか。理由を尋ねてみました。
「困ったことが起きても、先輩方がフォローをしてくれるので、安心して仕事ができるんです。常に何が起こるかわからないという緊張感がありますが、そんな背筋がピンと伸びる雰囲気が心地いいですね」

吉川さんが勤務する本社オフィスはとても国際色豊か。日本だけでなく、韓国、中国、台湾からメンバーが集まり、仕事中もさまざまな国の言葉が行き交います。化粧品を取り扱うだけに、社員の男女比は女性が約7割とやや多めですが、男性も大活躍。化粧品にあまり詳しくなくても、興味があれば十分であることに加え、国籍・性別・経験問わず、多様な人材を受け入れる環境が整っています。
「私も企画営業の仕事はまったくの未経験からスタートでした。最初はOJTで先輩についてしっかり基礎から仕事を学ぶことができるので、安心して挑戦して欲しいです」と話す吉川さん。
今後も魅力的な韓国コスメを発掘するために、SNSをチェックしたり、見本市や展示会に参加するなど、常にアンテナを張り巡らしていると言います。
「海外の化粧品が、実際に日本の店頭に並ぶまでは、予期せぬことの連続です。でも、スターデザインの社員は、アクシデントさえ楽しもうという前向きな人ばかりなので、勇気づけられるし多くのヒントも得られます。立ち止まらず、成長を続けたいと考える人には、最高の環境だと思いますね」