常に最新の熱処理技術の提供する企業、長く働き続けることに価値観を見出だせます

「株式会社 大和三光製作所」は工業用の乾燥機や熱処理装置の製造・販売に携わる、熱処理技術のリーディングカンパニーです。会社設立は1915年と106年の歴史を数え、世界遺産に登録されている群馬県の富岡製糸場に大和式乾燥機を納入という実績があります。
一方で現在は、愛知県の国内最大級の複合バイオマスエネルギー化施設（豊橋市バイオマス利活用センター）に炭化装置を納入し、経済産業省が主導する国家プロジェクト「地球温暖化対策技術普及等推進事業」でインドネシアの世界的バイオマスプロジェクトにも挑戦するなど、常に時代のニーズに応じた最新の技術を提供する企業です。
同社が提供する装置は一般的には知られていませんが、インスタントラーメンやスナック菓子、ふりかけなどの乾燥処理にも使われ、缶ジュース等の缶での金属板印刷焼付に活用されるなど、多くの製造会社に導入されているものでもあります。

本社は西新宿の新宿三井ビルディングの43階。福島県に福島工場・研究所、中国江蘇省には中国工場を構えています。今回お話いただいたのは財務部・課長の吉野誠史さん。
同社の働き方改革について、「残業時間は上限に達しないようにしっかりと管理を行うようになりました」と言います。また以前は少し曖昧だったという休日出勤も、必ず届け出を出して管理しているそうです。お客様機器のメンテナンス担当者は、どうしても工場の作業を止める休日の作業が多くなるため、改善を進めたということです。
コロナ禍の影響については、「会社の事業としては特に変化はありませんが、営業担当者はほぼ在宅勤務でテレワークを行っていました。もともと社員一人に一台ずつパソコンを持っていますのでスムーズに対応できています。出社が必要な社員については、10：15～15：00までをコアタイムとして8時間労働をするフレックス制を導入しています」と説明します。

採用はほぼ新卒の一括採用で行われますが、重視するのは「人とのコミュニケーションが得意かどうか」だと言います。同社の製品は決まった型式を量産するのではなく、「受注から生産、納入、メンテナンスまでを一貫して行う、要望に合わせたオーダーメイド。お客様の意向をくみ取って形作っていく仕事です」と吉野さんは続けました。また、熱計算など理系の知識があった方が有利ですが、先輩社員が若手の面倒をしっかり見てフォローをする意識が根付いているため、多くの文系出身社員も活躍しているそうです。
近年では女性の採用も活発に進めています。「製作所と付いている社名ではなかなか女性の応募がなかったのですが2年前には3名の入社があり、これからは女性の考え方や能力、仕事の進め方を取り入れたい」と、積極的に今後も続けていきたい意向があるそうです。福島工場では女性の管理職も誕生しています。

また同社の魅力の一つとして、「長く勤めることに価値観が持てること」だと吉野さんは言います。入社してから定年退職するまで安心して働くことができる会社で、定年は65歳ですが「その後も残ってもらうこともあります」と続けます。長く同じ職場で働くということは、その安定性に加えて同社ならではのさまざまな技術を身に付けることができるということでもあります。
この点について吉野さんは、「個人的な意見ですが、昭和チックな、三世代で一緒に住んでいるような会社だと思っています。一番長く働いている人だと70歳代の方もいます。そういった方々が20歳代の社員にいろいろ教えることができる、良い雰囲気のある会社です」と社内の雰囲気を語ります。
100年を超える歴史は、同社にそれだけの実績と経験が積み重ねられているということ。コロナ禍が収束した後には、その財産を活かして海外での案件をさらに積極的に進めていきたいと考えています。