高齢者の方が住み慣れた自宅で安心して暮らし続けるために質の高い介護スキルでサポートする

超高齢社会を迎えた日本では、介護施設が不足しているのが現状。特別養護老人ホームに入所待ちをする待機高齢者が増加するなか、支援の重要性は高まっています。
今回ご紹介する有限会社まごころホームケアサービスは、生活援助や身体介助を行う訪問介護を軸に、障害者支援、家政婦紹介の3つのサービスを提供し、地域に根ざした事業を行っている会社です。まずは、サービス提供責任者として働く大久保 麻貴さんにお話を伺いました。
「新宿区は、東京23区の中で最も独居高齢者の数が多い区。医療依存度や要介護度が高い在宅高齢者も増え、弊社への依頼もたんの吸引や胃ろうを伴うものが多くなっています」
そこで、同社では特定の医療行為が行える『認定特定行為業務従事者』の資格取得を全面的にサポート。事業所のパソコンを使ってeラーニングで勉強することも可能だとか。
「資格により業務の幅も広がるだけでなく、資格手当の形で収入もアップします。エッセンシャルワーカーとしての自負を持ち、社会の役に立てるのは大きなモチベーションになると思いますよ」

訪問介護員（ホームヘルパー）としての働き方は、いろいろ選択できると言います。
「登録ヘルパーとして、都合の良い曜日や時間帯を指定して短時間だけ働いたり、障害者支援に関心のある方なら、24時間対応の重度訪問介護で長時間の勤務を担当することもできる。夜勤を選ぶことも可能です」
さらに「正社員をめざす若い方にもどんどん応募してほしい」と大久保さん。正社員はヘルパー業務に加え、介護保険の請求業務などの事務作業にも携わります。登録ヘルパーからの登用もあるとのこと。
「サービス提供責任者をめざしたり、キャリアアップも可能。しっかり収入を得ながら長く安心して働けます」
介護職員初任者研修以上の資格があれば、国籍も性別も採用には無関係だとか。では、どんな人がこの仕事に向いていると思いますか？
「第一に責任感がある人。また、上手に気持ちを切り替えるスキルも必要です。実際に働いていると綺麗ごとでは済まない現実もあるからです。そうした体験も含め、何にでも興味を持って面白がれる人が伸びると感じています」

18年間、登録へルパーとして働く齊藤 恭子さんに、実際の仕事内容について伺いました。
「私の場合は短時間の滞在が主で、オムツ交換や入浴介助といった身体介護から、食事を作ったり、買い物をしたり、家事全般の支援も行います。単純にオムツ交換と言っても利用者さんごとに状態が違うので、そこが難しいところ。時間内にあれとこれをして…と頭の中でスケジューリングして自宅にお伺いします。主婦としての経験が役立ちますね」
利用者の情報は、サービス提供責任者の大久保さんとメールを通じて共有しているので、直行直帰が基本。それが主婦としてはありがたいと齊藤さんは言います。
「自宅と訪問先を行ったり来たりしやすく、家事とも両立しやすい。姑を自宅で介護していた時期があるのですが、その間も仕事を続けることができたのは、訪問介護の登録ヘルパーという働き方だったからだと思います」

仕事をするうえで、大事にしていることはなんでしょうか？
「まずは利用者さんやご家族に受け入れていただき、信頼を得ることが大切。心がけているのは、あまり自我を出さないこと。相手の言葉に耳を傾け、こちらのやり方を押し付けないことが大事だと思っています。また何年も訪問しているお宅でも、利用者さんとヘルパーという関係を崩さず、ブレないこと。それをモットーにしています」
経験を積んで気持ちの切り替えもうまくなったと話す齊藤さんですが、「時間がキツかったりして、やめたいと思ったことは何度もあります」と打ち明けてくれました。
「それでも、利用者さんやご家族から感謝の言葉をかけていただくと、やっていてよかったと思います」
『認定特定行為業務従事者』の資格を取得し、たんの吸引や胃ろうなど、できることが広がったと喜ぶ齊藤さん。医療依存度の高い方が増えているなか、「助かっています」「ありがとう」の積み重ねがやりがいになっていると笑顔で話してくれました。